大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和44年(借チ)52号 決定

〔主文〕1 申立人相手方間の別紙目録記載の土地賃貸借契約の目的を堅固建物所有に変更し、借地期間を昭和六四年一二月三一日まで延長し、賃料を本裁判確定の月の翌月分から月四二四五円に改める。

2 申立人は、相手方に対し、金二〇二万円の支払をせよ。

〔理由〕(申立の要旨)

1 申立人は、相手方から、昭和三四年一一月三〇日別紙目録記載の土地180.16平方米(以下本件土地という。)を非堅固建物所有の目的、期間昭和三五年一月一日から二〇年の約で賃借し、同地上に木造二階建居宅一棟を所有している。右借地契約の現在の内容は別紙記載のとおりである。

2 本件土地附近は、借地契約当時は殆ど木造の建物であつたが、現在は堅固建物が増え、高層化されつつあるので、借地契約の目的を堅固建物所有に変更したいが、相手方と協議が調わないので、右変更の裁判を求める。

(決定理由)

1 本件の賃料によれば、申立の要旨として掲げた前記1の事実のほか、本件土地附近は建物の中高層化の傾向にあることが認められるので、本件申立は、これを認容すべきである。

2 附随処分

本裁判により、申立人は、本件土地上に堅固な建物を建築しうることになり、このことは、借地上の建物の耐用年数が著しく延長されることおよび借地の効率的利用を可能ならしめることになるので、当事者間の利益の衡平を図るため、申立人に対し、相手方に対する財産上の給付を命ずるのが相当である。その額は、本件土地が第四種容積地区の指定を受けていることを考慮し、従来の裁判例に照し、更地価格(鑑定委員会の意見に従い一平方米一一万二、〇〇〇円と認定)の約一〇%に当る二〇二万円を相当とする。

なお、借地契約の目的の変更に伴い借地契約を借地期間の始期である昭和三五年一月一日から三〇年に改め、賃料を当事者双方の希望に従い月四二四五円に改める。(小山俊彦)

目録

土地賃貸借契約

一、当事者

賃貸人 相手方

賃借人 申立人

二、借地

東京都文京区大塚窪町三三番一五

宅地 330.57平方米(100坪)の内180.16平方米(54坪5合)

三、目的

非堅固建物所有

四、期間

昭和五四年一二月三一日まで

五、賃料

昭和四三年四月以降二八三〇円

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!